カタログより抜粋

小幡洋子の作品は型と色から成り立っている。最近の作品ではとくに色のトーンに注意が張られている。彼女の作品制作のプロセスは非常に綿密に計画された作業から成り立っている。型を使い色のレイヤーをかさねる骨の折れるような作業は小さな生命をもっているような、完璧なカンバスを作り上げる。

彼女は子供のころのおもちゃであった万華鏡のイメージにいまだ魅了されているという。
色のレイヤーの上にさらに乗せられたジェル状のレイヤーは作品に新たな次元をあたえる…まさに彼女の作品の美は実際の作品を見て初めて理解できるものである。このレイヤーは光の角度や強さにより反射し、光は屈折し、作品の表情を変える…まるで生きているかのように。

毎日の環境で見られるもの…木の葉や窓、マグカップまで、彼女の作る型のアイデアはどこからでもやってくる。現在の作品ではそのアイデアの元は実際の作品上では明らかではない。なぜならアイデアの元は彼女のスケッチブックの上で抽象化、単純化されるからである。こういった身近なものを題材に使うことは日本の伝統美学ではよく見られることであるようだ(彼女は大学に入るまでは日本画に興味があった)。

洋子の正確に作られたカンバス上には色とトーンと大胆な型が自信を表現している。この展覧会のために制作された作品はさらに以前の作品から進歩を遂げている。いくつかの以前の作品も出展されているが、彼女の使うパターンは複雑化し、色は微妙な色調、ジェル状のレイヤーを合わせるとモノクロに近い印象である。
(Bright Light カタログより抜粋。Sheffield Galleries and Museums Trust 発行 2003年)

…小幡洋子の作品が非常に日本的であると言うことには疑いはないだろう。彼女の作品は正確で、コントロールされており、見た目はモノクロのようである。しかし、クリアな線とパステル調の色で成り立つ作品は世界と彼女の出身国(日本)の両方を、どちらも優先することなく、映し出している。毎日の環境から選ばれた題材は非常にシンプルな美しいビジョンにトランスフォームされる。

パーソナルな自身の生活も含んだ、独創的で、時にノスタルジックな声明を彼女は出来上がった作品を通して伝えている。作品は見る人を瞬間的に彼女の世界と現実へと導く。作品はあらゆる文化の壁をこえて、見る人によってそれぞれの解釈をされるであろう。…
(iro iro カタログより抜粋。The Gallery Stratford upon Avon 発行 2002年)


プレス批評

かつて西洋化、現代化が必要とされた国々の代表として、日本はいまや西洋が日本に文化的とくに芸術の分野において影響を求めて注目する立場となっている。

小幡洋子の作品においても同じことが言えるであろう。イギリス在住のアーティスト、小幡洋子の作品はこの日本はもはや異文化と競うこともない独自の文化を持っていることを証明するものである。

彼女の身近な世界から作られた、これらのシンメトリーな、精密に計算された形、色、構成はシンプルな東と西のコンビネーションといえる。これらの万華鏡のようなイメージとオパーグ色の半透明のレイヤーは子供のころへのノスタルジアを感じさせられる。と同時に、西洋文化の一部であったミニマリズムに通じるものもあるであろう。

伝統的日本文化との関わり、季節、熟考された題材は現代の工業的テクニックと結びつき、複雑な型どりのプロセスがこれらの作品を作り上げる。単純化された題材はごく普通の生活で目にするものから選ばれる。これらの作品は西洋からみたエキゾチックな現代日本の絵画である。
(METRO誌 批評より)